ちょっと西の湖岸から

@plum_shiga が何かを思い立ったら書くところです

CodeZineスーパー対談「2020年のUI/UX」聞いてきた!

概要

本記事では、DevelopersSummit 2015 2日目の最後のセッション、

CodeZineスーパー対談 2020年のUI/UX 」について報告する。

 

セッション流れとしては、

渡邊先生の講話

黒須先生の講和

パネルディスカッション形式

という感じだった。

 

トピックス

テーマは上記の通りだったが、実現場では

  • 2020年のUI/UX
  • 今後のデザイナー・エンジニア

という大きく二つの柱があったように思う。

 

それぞれについての回答は以下のように理解した。

  • 2020年のUI/UX

  黒須先生:人工知能をバックグラウンドにもったものが強くなっていく。また、製品(モノ)よりは意味のあるサービス(コト)が重視されていく

  渡邊先生:趣味や楽しさを生み出すという目的を満足していく傾向になっていく。またWebにアクセスするのではなく、Webが人にアクセスしにくる

  • 今後のデザイナー・エンジニア

  黒須先生:コトをデザインできる人間が強くなっていくだろう

  渡邊先生:デザイナー兼エンジニアという人種が強くなってくる。プロトタイプを手早く作れる人間が必要とされる

これからぼくらが設計すること 明治大 渡邊 恵太先生

?検索は本当に便利か
 → 確かに便利だが、その後検索結果を受けて人間が行動せねばならない
 PC「これがお前の欲しかった情報やろ、あとはがんばれ」って感じ。
 → ググるは易く、行うが難し

 

タブレットをキッチンに持ち込めて料理ができる
 → タブレット見ながら料理をする??

 → 情報と行動が乖離している(無理がないか?)
 → そこで、レシピデータに連動して変形する計量スプーン(ユーザがすくうだけで単位を気にせず計量できるスプーン)

 

2020年は行動も支援してくれるデバイスがくるのではないか

 

スマホを部品とした入れるべき容量を可視化する計量カップスマホが入れるべき水の量を可視化してくれる)
 → 加速度センサで水平を保つ
   Webブラウザでは分かりにくい実寸をただ引くだけで取り出せる 1次元プリンタ

 

既にあるデータを現実世界に持ってくる

 アクセス(UI・検索・ナビゲーション)→ 理解(UIとコンテンツがかたち・しくみ を持つ)→ 行動 → アクセスしやすくする

 

コンテンツとUIを分けずに一体にする
 IoTはセンサネットワークのデータを人間に直接返す

 情報の道具化;情報を道具のように問題に対して直感的に落とし込んで道具として用いる

 

インタフェースデザインの歴史
 機械のインタフェース(ミスしにくく) → 

 マンマシンインタフェース
 コンピュータのインタフェース(わかりやすく)→ HCI
 インターネットのインタフェース(Webと人間がどういう関係を持つか?)
=> これからはグラフィックデザインからプロダクトデザインでもUI設計的思考が求められる

 

エンジニアの進むべき道 黒須先生

エンジニアが考えるべきこと3つ

 意味性

 人工物の進化

 ユーザ工学

 

意味性

 素朴に嬉しいなと思えること。人の営みの上で浸透できうる特性

 UXとは:

  ユーザ体験はサービスに対して

  モノの場合はユーザ経験(こちらの方が長期スパン)
 イノベータ理論とキャズム

  アーリーアダプターとアーリーマジョリティーキャズムがある
  → なぜ? 人々が意味がない(満足しない・嬉しくない)と思ったから

  = 意味性の欠如

 

人工物は進化する

・本当に意味のある目標は消滅しない
 → 望ましい方向に進化し続ける
・現在地と目的地を知る の変化
 昔の地図→紙地図→カーナビ(AR)→最近のAR(情報付与)

 

ユーザ工学

 単なる面白いガジェットはあかん

  → ユーザを理解して本当に意味のあるものを提供する
 これには洞察と直感」がいる。向いてる人と向いてない人もいる

 

失敗の秘訣~失敗するためのイロハ~
 開発者の思い込みで突っ走る
 新規で面白そうなものを開発する
 何となく良さげが基本方針

 

2020年の方向性
 サービスは必要
 実用に耐える→キャズムを超えられるか?
 UI/UXはわけがわからない

 !2040年くらいの未来は知的インタフェース

  → 自然言語対話、人工知能音声認識とか

  気の利いた対話(もっというならインタラクション)をどうデザインするか?
   → 心理的に満足する会話のデザイン

 

和文タイピストは進化で仕事が消えた
 → デザイナーやWebクリエイターも消えるんじゃないか
 AIの登場で考えることが不要になり、またできなくなる多くの人々
  →大学教授の失業か


パネルディスカッション

#1 GoogleGlassが示した課題をAppleWatchは克服できるか
中村)なぜ失敗したと思うか
黒須)ウェアラブルは信用していない。腕時計(まさに伝統的な腕時計のこと)は時間を計測する装置として妥当だが、メガネはモノを見るためのもの。情報をみるためのものはスマホで不十分なのか? という検討が十分されてない。本当にメガネにひっつける必要性は本当にあったか? 人間の本質的・かつ生理学的な特質を考えてない。視覚の奥行の知覚とか考えていなかった。
3次元テレビが消えたのと同じ理由。アプローチも失敗してる。売れると思ってない。アップルウォッチも。スマホとほぼ同じ。小さいだけにかえって操作しにくい。スマホはポータブル。十分密着してるし、それで良い

中村)道具のインターネット化という観点からもどうか。
渡邊)デバイスありきではなく、アプリケーションありきでデバイスを作るべ
き。アプリの上でデバイスを作るくらいの意気で行くべき。現場では難しいかも
しれない。普及したくても、ハードはDLとかできないから普及ができない。
GoogleGlassはできて欲しかった感はある。常に情報を得てたいというニーズはあ
るはず。話ながらスラスラ検索できるとか嬉しさある。失敗かどうかはともか
く、チャレンジしていかないといけない。

中村)結局グラスがうまくいかなかったのも、キラーコンテンツというかナイスなものが無かったから?

 

#2 IoT・モノのインターネット化
中村)デバイスメーカーが今後は色々と出してくると考えられる。お二人がこれだったら使う! とかあるか。
渡邊)行動に繋がらないものは失敗する。モノのインターネット化は結構なことだが、画面・スマホでいいじゃんって思うものがある。あえてモノにするとしたら、行動につなげていくのが大事。そういうものは興味がある。

黒須)確かに、これからはますます普及していくことは間違いない。ただ、使い方として、人とモノが接触する。モとモノの接触する。どういう意味があるのか? 意味の解釈ができてないなら作ってもだめ。データの解釈が大事。ビッグデータを使えば相当広範な内容を話、AIの会話につなげていくことができるはず。会話の話し相手になれるはず。インターネットの「コト」をつなげてAIにする。お医者さんの話し合いだけでなく、教育もそう。相手の学力や好き嫌いも考えた先生役をしてくれるものを作っていくことになっていくだろう。


#3 インタフェースの方向性
黒須)結構難しい。結局人間が情報を受け取るためには五感ありき。目と耳が情報入
力機関。目で見る対象が、デジタルサイネージみたいになることはあるだろう。け
ど、パーソナルな情報はパーソナルなモノになる。となると、スマホは完成度が十分
高い。

渡邊)AIとインタフェースは相性が悪い。ダイレクトマニピュレーション(直接操作感)のが優勢。AIが発達すると人間のやることが減る。人間は何するんやっけ? ってなる。AIの発達は楽しみを殺す。インタフェースは楽しみ、趣味を作るのもあり。自動運転は趣味のドライブの楽しさを殺す。じゃあその趣味の楽しさの最大化させるところが課題。インタフェース屋は「趣味」「生きがい」を作るっていうところが大事になってくる。楽しみや、生きがいを作るっていうところに需要があるのではないかって気もする。

中村)今後どのような人材が求められるのか?

黒須)プロダクトについては現状維持路線に近くなる。むしろ、サービスデザインはとても大事。今より5年先でも、サービスとして色んなことが可能になる。サービスとは**するコト。人間だったらとても辛抱できないようなことをしてくれる。例えば認知症の相手。話したことをコンピュータは覚えていて同じことでもふんふんと聞いてくれるとか。IoTについては、スマートハウスやらインテリジェントハウスやらは本当に「意味」があるか。ちょっと便利かもしれないが、本当に自身の生活を良くしてくれるか? という疑問。モノよりは「コト」。サービスをデザインできる必要がある。コトのデザインはさらに求められる。サービスなので人が人にしていたこと。で人がするんじゃなくてICT化していく。図書館の書士にしろ看護師にしろ、人との履歴とかを解析し、Ioコトのデザインとしては、人はどういうサービスを享受すれば満足す
る、嬉しいかというところを考える。みんなが当然だと思って諦めているところをそ
ういうところを探していく。

渡邊)むしろ、UI/UXの部署にどういう人が来てるのか?
中村)今必要なのは、プロトタイピングしながらモノを作っていける人。サイクルを回すことが大事な人。
渡邊)初めからいきなりプログラムを作ってきてそれをハードでやりたいっていう子
がする。動かして伝えろと言っている。
中村)目に見える形で武器を持つのは大事。動かして~~作れます! っていう人の
方が前に進む。そういうやつは活動してくる。まずさわれるものを作って、そのあと
専門家に流していくって感じだった。コードを書くエンジニアとかが、そうなるべ
き。
渡邊)文系の下請けになるな。アイデアも優れていてモノも作れる人になるべき

#4 2020年に世の中はどうなっているか
黒須)4Kテレビが普通に普及するとかその程度だと思う。むしろその先を見るべきで、エンジニアはデザイナーとインテグレートしていく必要がある。デザインっていうのはコンセプトを外化する。外化することによってそれを対象化できる。じゃあ次はどうすればいいかっていう次のことを考える必要がでてくる。また、収束的ではなく発散的な思考が大事。これをエンジニアが持つ必要がある。これで5年と10年でかなり変わる。モノではなくてモノを含めた環境。環境っていうところも含めてエンジニアはデザイナーの特質を取っていく必要がある

渡邊)地味の話では、各言語対応(オリンピックに向けて)が必要になってくるっていう意識が変わるだろう。テクノロジー的にはウェアラブルっていうのはないかも。マップアプリとかは増えてくる。言語コミュニケーションをどうしようかなっていうところになるだろう。